2013年3月31日日曜日

17.AIRま臭

今週は色々とお仕事週間だった。
そのため、マシューは半年ぶりに、
しつけ教室にお泊り保育に預けていた。

マシューを預けた日の帰宅、
これまでも薄々は気が付いていたのだが、
もう、無視はできなかった・・。


玄関を開けた途端、私を迎えたのは
なんとモウレツな犬臭。

床拭きはもちろん、布モノの洗濯、
消臭スプレー、
やってんじゃん!
なんでだ!なんなんだよ、この犬臭!

そうだ、人間の嗅覚は脳の古皮質にあると聞いた。
本能に基づくもっとも原始的な感覚だって聞いたぞ。
理性が働かない場所、
今私は疲労困憊、理性なんて働かない。
うちがクサイぞクサイ!クサイんだー!
ああああああ!
まったくなんてこったい!
ひとまず心の中で暴れまくった。


朝から大嫌いな仕事に励み、
深夜帰宅の体に鞭打って、
ひとまず玄関の雑巾がけ、
からの、ペット用消臭スプレーの散布、
からの、乾拭き。

というか、消臭スプレーの芳香もくせーじゃんか!
余計なもん添加すんじゃねーよ!
となんだか良くわからないスパイラルに陥ってしまった。


そこで、調べた消臭法を本日試したわけである。


消臭剤の芳香までもが犬臭と混ざって気持ち悪りー、
と判断した私は、ネットで知ったミョウバン水に賭けた!

さて効果のほどはいかほどか・・・
後日ご報告いたします。

みなさんはワン臭対策、どうしているのでしょう?




2013年3月30日土曜日

16.マシューのごはん

マシューが我が家にやってきた頃は、
しつけ教室のトレーナーさんに教わったとおり、
カリカリのドライフードをコングなる玩具に詰め、
ケージや留守番トレーニングの一環に使用していた。
ごほうびも、ドライフードを1粒1粒。
しかし、マシューはゴハンに対して「おれあんま興味ね。」といった様子。
フードを使用したトレーニングは日に日に効果が見受けられなくなっていった。


なのでしつけのごほうびは、
ジャーキーのような肉感アップのおやつへグレードアップし、
ゴハンはお皿に入れて食べさせるように。

でも食べてくれない。
大切な成長期、骨やら脳やら内臓やら、
とにかく食べてくれ、健康に育ってくれ、と
野菜や肉、魚、スープを作ってトッピングをしたり、
山羊ミルクや生肉を取り寄せたり奔走した。
しかしマシューは相変わらず、「おれあんま興味ね。」といった様子。



マシューが唯一喜々として食べるゴハンがあった。
某ドッグカフェのワンバーグである。


もちろん真似して作った。
私の作ったワンバーグだっておいしいはずだ。
なのに、マシューは「それちょっとちがうしね。」といった(ように聞こえた)。


それくらい食べることにあまり興味を示さないマシューであったが、
体の大きさも落ち着いてきたし、もういいだろう、と。
食いたくなければ食わなきゃいいよ、
それがお前のペースなんだろう、と手を抜き始めた。

するとどうだろう、マシューがゴハンをたべるようになったではないか。
カリカリフードだけの日も多くなったが、
月齢9か月を迎えて、急に犬っぽくゴハンを食らうのだ。

え、もしかしてカリカリだけの方がおいしいってことなのかしら・・・
余計なことすんじゃねーよ、とか思っていたわけか!?

なんだかとてもくたびれてしまったのだった。




2013年3月29日金曜日

15.マシューの住まい

2012年9月、マシューが我が家にやってきた頃の住まいは
ペット飼育が認められていなかった。

どうしてそんな無責任な状況でマシューを連れてきたんだ!
とお怒りの愛犬家の皆様、ここはどうか色々とお察しください。
(※リンク「マシューは突然やってきた」

引っ越すにもすぐには引っ越せない。
我が家にマシューを迎え入れた2日後、
マシューは、ひとまず私の実家へ2週間ほど預かってもらうことになった。
が、安堵したのも束の間、早速翌日、ママからギブアップの知らせが届いた。


問題児だった3人の子供を育て上げ、
ヨーキー2匹を最期まで世話した、
母性の塊みたいなママがまさかのギブ宣言!

とにかくハイパーアクティブなマシューをこれ以上お願いするわけにもいかず、
途方に暮れた私は、
「そうか、お金で解決できるなら」と、
1か月間しつけ教室へのお預け保育を決めた。
1か月間で16万円強、高いか安いか、よくわからなかったが、
私は朝から朝まで(あはは)動けない、マンションはペット飼育不可、
マシューはハイパー元気、というわけで他に手立てはなかった。

どうしてそんな無責任な状況で犬を飼うんだ!と
またまたお怒りの愛犬家の皆様、
ここもどうか色々とお察しください。
私はフリーランスというとても不安定な身の上、
お仕事を断れる身分ではないのだ。


仕事の合間に物件探しをし、
同じ町の2丁向こうに引っ越しを決めて、急いで荷造り。
予想通りヨシオは役に立たない、
苛立ちを必死に抑えた。
斯くいう私も、2LDKの部屋にこれでもか!と
隙間なく大量に詰められた荷物を前に、
己の中に眠る収納名人の才を感じながら悦に入ってみたり、
しかしあまりに大量な現実に目を覆いふて寝をしてみたり・・・

このままでは荷造りは終わらない、と察した優しい友人たちが
連日助けに来てくれるのだった。

そして、無事、お預け保育終了の日までにマシューを迎える準備が整ったわけだ。


ちなみに、物件探しをしていた最中、
ノブシコブシ吉村に激似のハートの熱い不動産屋の兄ちゃんが、
“ペット可”の条件をつけると、他条件が同じでも、
物件数は40分の1以下ですよ、と力説してくれた。
家賃は以前の住まいよりも上がり、しかし部屋の広さも、間取りも設備も、
以前より条件は悪くなった。

新宿のビル群が臨めるこの町で犬と散歩している人を見ると、
なんだかみんなお金持ちに見えてくるようになった。
富裕層しか犬を飼えないわけかよ、と舌打ちしちゃう感じだった。

が、この部屋も住んでしまえば意外と慣れるもので、
今ではなかなか快適。(家賃以外ね)
マシューもこの部屋が一番安心できる空間であろう。
今日も伸びきって寝ているしな。



2013年3月28日木曜日

14.まちがったトレーニング(3)

マシューが我が家に来てから、
“犬”、“ドッグ”のキーワードで録画予約を設定し、
かたっぱしから犬に関する番組を鑑賞することがヨシオの日課になっていた。

愛犬家の皆様はご存知であろう、
アメリカのカリスマドッグトレーナー、シーザー・ミラン氏。




そして、シーザーに感化された男が我が家に一人。
もちろん、ヨシオである。



シーザー氏の華麗なテクニックを目の当たりにした後のヨシオは、
マシューに英語で語りかけるようになっていた。
カタコトの、変テコな英語で。



そして、シーザーの真似事が影響してかはわからないが、
ヨシオはこの後、ちょっとした人生勉強をするのである。

とある日、夕飯の準備に勤しむ私に、
ヨシオは帰宅するなり、ウキウキと、ある報告をしてくれた。



「じつは今日ね、上野を歩いていたら、
困っている外国人に相談されちゃってさ。
イギリス人の技術者が、
航空会社のミスでスーツケースが降りてこなくて、困ってたんだよー」

「でね、今夜泊まるお金もないっていうから、貸してあげたの。
ほら、オレもバックパッカーだったからさ、
いろんな国で親切にしてもらったし、
こういうのって持ちつ持たれつだよねー」

とても得意気である。

「・・・・・で、いくら渡したの?」

「一万円♪
 すぐに返してくれるっていうから、名刺も渡しておいたー♪」


ってか、それ、だまされたんだよ・・・
と言う気もなくなるほど、
あいつはホクホクと満足顔であった。



2013年3月27日水曜日

13.チンな事件



犬を飼うなら女の子がいい、と思っていた。
というか、男の子を飼う想定をしたことがなかった。

そのため、ひょんなことで我が家にやってきたマシューに
チンコが付いていたときは面食らってしまった。

ナンダコレ、と。

ナンダコレ、と思うほど無知だった私は、
ほどなくして驚愕のものを目にしてしまう。

マシューが月齢4か月半の頃、
弟ナオトとヒサン、ヨシオがマシューを囲んでワイワイしていた。

ナオトがワニのぬいぐるみを振り回し、
マシューがガウガウ大興奮。
と、その時、マシューのチンコがだらっと伸びた気がした。


絶叫する私に、ドン引くマシュー。
当のマシューも戸惑っているようだった。

が、ヒサンの発したセリフに私は耳を疑った。

「マシュー、早くしまって!
 マルモっさんがショック死しちゃうから、
 ほら、しまって!」

シマウ?
・・・ぬーん。

衝撃にクラクラしながら、パソコンに向かい、
ネットでの情報収集に急いだ。

が、しかし、「犬、生殖器、伸びる」の検索ワードでヒットするサイトは、
とても残念なことに獣姦系のアダルトサイトばかり。

やばい、こんな検索ばかりしていたら
Googleさんの追跡機能やら協調フィルタリングで大変なことになってしまう・・・
息キレギレで、ようやく求めていた回答にめぐりあった。

犬のチンコは格納式。なるほど。
いつも見ていたチンコはチンコカバーってわけだ、と学習をした。



チン話のついでに、
マシューは月齢5か月ほどで去勢手術をした。

しつけ教室のトレーナーさんと相談をして、
当時ハイパーアクティブだったマシューは、
タマが降りてきたら早めに手術をしようということになった。
まだパピーだというのに、大型犬に正面から突っ込んでいくような、
無鉄砲で超絶アスリートな性質に、
雄の本能が追加されたら手に負えなくなるかもしれない、
といった理由からだ。

我々との共生を考え、いろいろと調べたうえでの決断だったが、
同じ男同士だからか、ヨシオは複雑な面持ちだった。



男同士、憂いを帯びる2人に、
精一杯明るく振る舞ってあげる私であったが、
どうやら逆効果のようであった。




2013年3月26日火曜日

12.解せない


マシューをしつけ教室に預けていた頃、
どうしても解せないことがあった。

“マシューくんママ”と呼ばれることであった。

トレーナーさんに“マシューくんママ”と呼ばれるたびに
私は「あ、飼い主です」と返答していた。

しかし、トリミングサロン、お散歩、ドッグラン、ドッグカフェ、
いたるところで飼い主は“ママ”“パパ”と呼ばれているらしいということを知った。
そうか、知らなかったなぁ、そういう文化。

今ではだいぶ“マシューくんママ”と呼ばれることに慣れたけれど、
それでもやはりどこか受け付けない。
私は母親になったことがないからかしら。



にしても、もうひとつ、これは長いこと理解し難いことがある。
マシューのゴットマザー・ヒサンの話だ。

ヒサンはいつもカエルのぬいぐるみを持ち歩いている。
それもなかなかな大きさだ。
三十路をとうに過ぎた女が、じつに痛い姿に見える。

”デュラン”と名前がつけられたカエルは、
ハワイのスパでバイトをしていたという設定だそうで、
主食はラベンダー、ハワイ大学の心理学科を出ているとのこと。
要するに、リラックス用品ということか・・・。
ヒサンと夜な夜なおしゃべりを楽しんでいるらしい。

ちなみに、ヨシオもデュランと話が出来る、らしい。



そんなヒサンではあるが、
公私ともにとても頼りになる友人である。
マシューを連れて(マシューに連れられて)いる姿はまるで絵本の1ページ。






2013年3月25日月曜日

11.トキドキナオト(1)


ナオトは私の2才下の弟。同じ街に住んでいる。

2011年の3月11日の大震災、
私たちの住む地域もかなりの揺れに襲われた。
私はちょうど実家に帰省をしていた。

静岡出身のヒサンは、幼少の頃から地震の英才教育を受け、
地震大恐怖症になっていた。
3月11日の震災の翌日、ヒサンが居候をしているカキさん宅には、
なんとあの混乱の最中お母様が観光に上京されることになっており、
ヒサンは朝イチで追い出されることになっていた。

ヒサンのパニックを心配した弟ナオトは、
ヒサンを迎えに行き(ご近所)、
私が帰京するまでかくまってくれることになった。


夜、ヒサンから電話が入った。
ナオトがヒサンに味噌汁を作ってくれているという。
いい話ではないか。
あいつも優しい男に育ったではないか。

が、しかし、ヒサンからの入電には理由があった。
味噌汁の具がナスだというのだ。
これは大問題だ。
ヒサンはナスが食べられない。


余震も徐々に数が減った頃、
あれは今のような桜のきれいな季節だったか、
ナオトはカキさん宅へ件の物申しに行った。

しかし予想外の出来事に出会ってしまう。
カキさんが入れてくれたお煎茶がとても美味しかったのだ。

ナオトはお茶の淹れ方にうるさい。
フツフツ沸いたお湯を急須に入れるなんざ言語道断、
茶葉の量、湯の温度、器、甘味と渋味のバランスに、色・・・・。

なんとカキさんの淹れるお茶はパーフェクトだった。
ナオトの心象はガラリと変わった。

結果、悪いのはヒサンになった。
カキさんはなんにも悪くない。
大人なんだからひとりでしっかりしなさい、と
その会はヒサンへの説教となったのだった。

ちなみにマシューはカキさんがとても好き。
毎日遊びに来てくれるヒサンのことはもちろん大好きだけど、
その100倍くらいカキさんが好き。
うっとり恋する瞳になってしまうのだ。

余談だが、震災翌日、ナオトとヒサンはイソジンを飲んだりしていた・・
親切にも私の分も買っておいてくれたらしい。
さすがの私も呆気にとられた。


2013年3月24日日曜日

10.桜のマシュー


最近人気ブロガーさん方のブログを拝見して、
愛犬ブログなるものを少々勉強してみた。

これまでの“しましましゅー”は、ちょっと違ったみたい。
春だし、新しいことにトライしちゃうことが流行りそうな陽気だし、
よし、やってみる。
ぽかぽか陽気でしゅね

え、あたしの服、ここがおパンツみたいですって?

あらやだ、ホント!
やだわ、あたしってばー!

ちゃんちゃん♪(テヘッ)



こんな感じだ。
どうだ。っぽいだろ。
でも、素材のせいだろうか、とても気持ち悪い。

一昨日の桜が満開間際の神田川、
せっかくプロフェッショナルなカキさんカメラが同行してくれたのに、
どうしてこんなおパンツみたいな服を着せてしまったんだろう・・・。
もう、おパンツしか目に入らない。

ちなみに、カキカメラはもっと素敵なお写真たくさん撮ってくれました。
カキさん、今回のセレクトごめんなさい。



2013年3月23日土曜日

09.まちがったトレーニング(2)


ケージを大好きになろうキャンペーンはまだ続いていた。
ある夜、私が風呂から出てくると、ヨシオは牛とひっくり返っていた。

私が声をかけても反応しない。 どうやら死んだフリをしているようだ。
この時点でちょっとイラっとしたが、
蹴り起こして事情を尋ねてみると以下のようである・・・


「ヨシオが倒されてしまうような凶暴な牛が襲ってきても、
ケージの中にいれば安全でしょう?」
「ケージっていいところだろ?」
というシナリオだったようだ。

たぶん、やっているうちに楽しくなってしまったに違いない、
そういうやつだ。

パニックになっているマシューのことなんて
見ていなかったに違いない・・・ふぁっく。